
新加入デラップ、デビュー戦でいきなりアシストとは大したものだ。



父親はあのロングスローの名手。期待がかかるのも当然だろう。



魔の9番を背負うらしいが、ジンクスを打ち破れるか見ものだ。



この活躍が続けば、チームの主役になる日も近いかもしれない。
新星デラップが鮮烈デビュー! CWCでチェルシーを勝利に導く


エンツォ・マレスカ新監督のもと、新たなスタートを切ったチェルシーが、幸先の良い一歩を踏み出しました。現地時間16日、米国で開催中のFIFAクラブワールドカップ(CWC)2025のグループD第1節で、チェルシーは地元アメリカのロサンゼルスFC(LAFC)と対戦。2-0のクリーンシートで勝利を飾り、白星発進に成功しました。
この試合でひときわ大きな輝きを放ったのが、今夏マンチェスター・シティから完全移籍で加わった新戦力、FWリアム・デラップ(22)です。後半途中からの出場となったデビュー戦で、いきなり決定的な仕事をやってのけました。1-0でリードして迎えた79分、右サイドでボールを持ったデラップは、ゴール前に走り込むエンソ・フェルナンデスへ向けて、まるでセットプレーのような完璧なタイミングと質のパスを供給。これを受けたフェルナンデスが冷静にゴールネットを揺らし、勝利を決定づける追加点を挙げました。デビュー戦でのアシストという最高の結果で、デラップは自らの価値を証明し、スタンフォード・ブリッジの新ヒーロー候補として名乗りを上げたのです。
試合は、2022年以来2度目のクラブ世界一を目指すチェルシーが、序盤からボールを支配する展開となりました。しかし、元トッテナムの守護神ウーゴ・ロリスがゴールマウスを守るLAFCの堅い守備をなかなかこじ開けることができません。前半をスコアレスで折り返すと、後半に入っても膠着状態が続きましたが、65分に均衡が破れます。左サイドからのクロスに、ゴール前に走り込んだFWネトが頭で合わせ、待望の先制点を奪いました。そして、その後に投入されたデラップが前述のアシストを記録し、チームを勝利へと導きました。マレスカ監督の初陣を勝利で飾るとともに、新戦力が早速結果を残したことは、今後のシーズンを戦う上で非常に大きな収穫と言えるでしょう。
移籍金58億円の逸材、デラップ獲得の背景


リアム・デラップのチェルシー加入は、この夏の移籍市場における大きなトピックの一つでした。プレミアリーグの複数クラブが獲得に関心を示す中、最終的にチェルシーが争奪戦を制しました。報道によれば、チェルシーはデラップ獲得のために、前所属のイプスウィッチ・タウンに設定されていた約58億円(3500万ポンド)の契約解除金を支払ったとされています。22歳の若手ストライカーに対して支払われたこの金額は、クラブの彼に対する期待の大きさを如実に物語っています。
デラップは、かつてストーク・シティなどで「人間発射台」の異名を取ったロングスローの名手、ロリー・デラップ氏を父に持つサラブレッドです。マンチェスター・シティのアカデミーで育ち、そのポテンシャルは高く評価されていましたが、トップチームでの定位置確保には至らず、レンタル移籍を繰り返していました。しかし、昨シーズンのイプスウィッチでの活躍が彼の評価を決定的なものにします。リーグ戦で二桁ゴールを記録し、チームの攻撃を牽引。そのパワフルなプレーと得点感覚は、多くのスカウトの目に留まりました。マンチェスター・ユナイテッドなども獲得候補として名前が挙がりましたが、本人はチェルシーへの移籍を強く希望したと伝えられています。
チェルシーはデラップと6年という長期契約を締結。これは、彼を単なる即戦力としてだけでなく、クラブの未来を担う中心選手として位置づけている証拠です。マレスカ監督が志向するポゼッションスタイルの中で、前線で起点となり、かつフィニッシャーとしても機能できるデラップの存在は、戦術の幅を大きく広げる可能性を秘めています。58億円という投資が、数年後に何倍もの価値を生み出すか、彼の双肩にかかる期待は計り知れません。
“呪われた9番”への挑戦と代表への道


チェルシーで新たなキャリアをスタートさせたデラップに与えられた背番号は「9」。この番号は、世界中のクラブでエースストライカーの象徴ですが、近年のチェルシーにおいては「呪われた番号」として知られています。フェルナンド・トーレス、アルバロ・モラタ、ロメル・ルカク、ピエール=エメリク・オーバメヤンなど、名だたるストライカーたちがこの番号を背負いながら、期待されたほどの活躍ができずにクラブを去っていきました。この忌まわしきジンクスの打破は、デラップに課せられた最初の、そして最大のミッションと言えるかもしれません。
しかし、指揮官の期待は非常に大きいようです。マレスカ監督はメディアに対し、「リアム・デラップがイングランド代表ストライカーの主力FWに挑戦する」と公言し、彼がスリーライオンズ(イングランド代表の愛称)の9番を背負うポテンシャルを持っていると力強く語りました。デビュー戦でのアシストは、その期待に応える第一歩となりましたが、真価が問われるのはこれからです。シーズンを通して安定したパフォーマンスを維持し、ゴールという形で結果を残し続けなければ、このジンクスを打ち破ることはできません。
考察するに、デラップがこのジンクスを破る可能性は十分にあります。過去の選手たちと異なり、彼はまだ22歳と若く、プレッシャーを良い意味で力に変えられるかもしれません。また、マレスカ監督はマンチェスター・シティのアシスタントコーチ時代にデラップの才能を間近で見ており、彼の能力を最大限に引き出す術を知っている可能性があります。監督からの厚い信頼は、選手にとって何よりの追い風となるでしょう。CWCでの好アシストは、単なる1プレー以上の意味を持っています。それは、チェルシーの新たな時代の幕開けと、呪われた歴史に終止符を打つ若きストライカーの挑戦の始まりを告げる、希望の光と言えるのではないでしょうか。今後の彼の活躍、そしてイングランド代表への道が拓けるのか、目が離せません。
参考文献- 新顔デラップもアシスト! チェルシー、元スパーズ守護神から2ゴールでクラブW杯白星スタート(GOAL)
- チェルシーがロサンゼルスFCとのクラブW杯初戦を制す! ネト&E・フェルナンデスが得点、新加入デラップもアシストを記録
- ロサンゼルスFC戦で後半途中出場したチェルシーFWデラップ(中央)(AP)
- チェルシー – ロサンゼルスFC (後半) 2-0: デラップのアシスト、エンツォのゴール
- 【クラブW杯】チェルシー白星発進!今夏新加入FWデラップ デビュー戦でいきなり好アシスト
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- エンツォ・マレスカがイングランド代表チームの9番のポジションを獲得するためにデラップに挑戦