議員も絶賛！全国「推しメシ」＆「推しスポット」特集。ご当地グルメから旅のテーマまで、新たな魅力を発見

2025年6月6日

様々な推しの情報が発信されていますね。

各地の食や場所など、魅力的なものが沢山あります。

一方で、まだ光の当たらない隠れた推しもあるはずです。

そうした未知の魅力が発見されることにも期待できますね。

食と旅に見る「推し」の力：地域を愛し、魅力を発信する人々

近年、「推し」という言葉が様々な場面で使われるようになりました。単に好きなものや応援したい対象を指すだけでなく、個人の情熱やこだわりを表現する言葉として、私たちの生活に深く浸透しています。今回ご紹介する複数の記事からは、この「推し」の概念が、食文化や旅行、地域紹介といった分野で、情報発信の新たな形を生み出している様子が伺えます。

地元の誇りを食に込めて〜政治家たちが語る「私の推しメシ」〜

まず注目したいのは、自由民主党の議員の方々が紹介する「思わず食べたい私の推しメシ」というコラムです。ここでは、それぞれの議員が自身の選挙区やゆかりのある地域の「推しメシ」を紹介し、その魅力とともに地元への熱い思いを語っています。

葉梨康弘衆議院議員は、茨城県第3区の「ワカサギの天ぷら定食」を推薦しています。記事によれば、この地域は霞ヶ浦、鬼怒川、利根川、牛久沼、小貝川といった一級河川や湖沼に囲まれた水郷地帯です。特に霞ヶ浦は、古くから漁業が盛んであり、ワカサギはその代表的な味覚の一つなのでしょう。葉梨議員がこの一品を推す背景には、豊かな自然環境と、そこで育まれる食文化への誇りが感じられます。水産資源としてのワカサギだけでなく、それを天ぷら定食という形で味わう体験を通して、地域の風土や歴史までをも伝えようとする意図が読み取れます。

また、堀内詔子衆議院議員は、「世界に誇る山梨のワイン」を推しています。山梨県といえば、ほうとうやブドウ、桃といった農産物が有名ですが、堀内議員はあえてワインをピックアップ。これは、山梨が日本有数のワイン産地であり、その品質が世界レベルに達していることへの自信の表れでしょう。単に「美味しい」というだけでなく、「世界に誇る」という言葉を選ぶあたりに、ワインを通じた地域ブランドの向上や、国際的なアピールへの意識がうかがえます。観光客誘致や輸出促進といった、より広範な地域振興への期待も込められているのかもしれません。

さらに、都道府県特別編として、三宅浩正愛媛県議会議員が愛媛県の「鯛めし（ひゅうが飯）」を紹介しています。愛媛県の真鯛は全国屈指の漁獲量を誇り、「県の魚」にも指定されているとのこと。三宅議員は、この豊富な海の幸を活かした多彩な郷土料理としての鯛めしを「推しメシ」として挙げています。地元で獲れる新鮮な鯛の美味しさを、様々な調理法で最大限に引き出す鯛めしは、まさに愛媛の食文化の象徴と言えるでしょう。地域の人々に長年愛され、受け継がれてきた郷土料理への深い愛情と、それを県外の人々にも伝えたいという熱意が伝わってきます。

これらの記事から見えてくるのは、政治家が「食」という身近なテーマを通じて、自身の活動基盤である地域の魅力を多角的に発信しようとする姿勢です。それは単なるグルメ情報ではなく、地域の自然、歴史、文化、そしてそこに暮らす人々の営みへの理解を深めるきっかけを提供するものであり、有権者との親近感を醸成する効果も期待できるでしょう。

人生を豊かにする「推し旅」と、地域を応援する「推しスポット」

次に、「推し」というキーワードが旅行や地域紹介の分野でどのように活用されているかを見ていきましょう。

「55歳の旅行ジャーナリストが語る『50代の今から始めたい旅テーマ』推し活・絶景・新たな挑戦…その理由とは？」という記事では、人生100年時代の折り返し地点である50代に向けて、旅を人生や日常を豊かにするツールとして活用することを提案しています。旅行ジャーナリストの村田和子さんが挙げるテーマは、「推し活」「絶景」「新たな挑戦」といった現代的なもの。特に「推し活」を旅のテーマに据えるのは、個人の興味や情熱をダイレクトに旅の動機と結びつける新しい旅のスタイルと言えるでしょう。これは、特定のアイドルやキャラクターだけでなく、好きな作家のゆかりの地を巡る、応援するスポーツチームの試合を観に行くなど、広義の「推し」を追いかける旅を指すと考えられます。50代という年代が、新たな関心事を見つけ、アクティブに行動するきっかけとして、「推し旅」が注目されていることがわかります。

一方、企業が発信する地域情報コンテンツとして興味深いのが、ロジスティードプレゼンツ『LOGISTEED CAFÉ』の「全国４７都道府県、推しご当地スポット」シリーズです。島根県編、群馬県編、そして神奈川編（ロジスティードグループ社員が勝手にオススメ！）と、各地の「推しご当地スポット」が紹介されています。この番組は、「物流業界を盛り上げよう！」というコンセプトのもと、物流に関わる人々がざっくばらんに語り合う内容のようです。その中で、全国各地の魅力的な場所を「推し」として紹介することは、物流ネットワークで全国を繋ぐ企業ならではの視点であり、地域貢献の一環とも言えるでしょう。特に社員が「勝手にオススメ！」する形式は、広告的ではない、よりパーソナルで熱意のこもった情報として受け手に届きやすく、親近感を抱かせます。企業が自社のリソースやネットワークを活かして地域の魅力を発掘し、応援する姿勢は、企業のブランドイメージ向上にも繋がる試みと言えるでしょう。

これらの記事からは、旅の目的が多様化し、個人の「好き」や「応援したい」という気持ちが、新たな旅のスタイルや地域情報の発信方法を生み出していることが見て取れます。それは、単なる観光地の紹介に留まらず、体験や共感を重視する現代の消費者ニーズにも合致していると言えるでしょう。

「推し」が紡ぐ、共感と発見のコミュニケーション

今回取り上げた記事群を通じて見えてくるのは、「推し」というキーワードが持つ情報伝達の力です。政治家が語る「推しメシ」は、その土地の風土や文化を背景にしたストーリーを伴い、単なる味覚を超えた魅力を伝えます。旅行ジャーナリストが提案する「推し活」としての旅は、個人の情熱を旅の原動力へと転換させ、より能動的で深い体験を促します。企業が発信する「推しご当地スポット」は、地域への愛情と応援の気持ちを伝え、新たな発見の機会を提供します。

これらの情報発信に共通するのは、発信者の「これが好きだ」「これを伝えたい」という純粋な熱意です。その熱意が「推し」という言葉に集約され、受け手の共感を呼び、興味を引き出す力となっています。情報が溢れる現代において、こうした個人の熱量やストーリー性が伴う情報は、画一的な広告よりも強く心に響き、行動を促す力を持つのかもしれません。

政治家にとっては親しみやすさと地域PRの手段として、旅行者にとっては新たな旅の動機として、そして企業にとっては地域貢献とブランディングの機会として、「推し」を切り口としたコミュニケーションは、今後ますます多様な分野で活用されていくことでしょう。それは、私たち自身の生活においても、新たな「推し」を見つけ、それを誰かと共有することで、日常がより豊かで彩り深いものになる可能性を示唆しています。

参考文献